アルカラ 20周年記念2マンツアー「産声」

8月19日、心斎橋BIG CATにて、4年ぶりにアルカラを見て号泣。


わたしにとってアルカラは人生で一番好きだったバンドで、もうファン歴はかれこれ12年を超える。
学生時代は少ないバイト代を注ぎ込み、社会人になったら遠征してツアーを巡り、フェスでは最前列を取ろうと苦心し、CDも全部タワレコで予約して買っていた。
リリースされるアルバムはすべてエグい仕上がりだったし、ライブに行けばフロントマン・稲村の圧倒的な歌唱力、それに引けを取らない他のメンバーのアグレッシブなパフォーマンス。CD音源以上と思えるほどのライブはいつも超満員で、どんどん会場のキャパも大きくなっていった。
エクスペディアのCMや国民的アニメの主題歌を歌うことになった日にはもう完全に売れた…と確信した。


ところが2017年、ギタリストが突然の失踪・事実上の脱退。はっきり言ってショックだった。だってこんなに順当に売れてきてて、いつもどの媒体でもメンバー同士仲のよさそうな雰囲気を出していたのに、失踪だなんてその対極じゃないか。
祈るような気持ちで向かったその後のライブではサポートメンバーが入って演奏していたけど、やっぱり違うという気持ちが拭えないし、「俺ら前向いてやっていくから!」的な稲村のMCもなんだか上滑りしているような気がして、というかなんでそんなに平気そうなんだよ!とか思ったりして…どうしても受け入れられなくてだんだんアルカラ自体を聞かなくなってしまった。


そんなわけで2018年以降のアルカラには全然触れていなくて、2019年にリリースされたアルバム「NEW NEW NEW」もこわくて聞く気になれなかった。
さらには世間の邦ロックブームは終わりつつあって、わたしが聞くのもチルなシティポップばかりになった。
でもこの前たまたま新曲「Dance Inspire」を耳にして、涙が出るくらいの衝撃を受けた。



数秒聞いただけでアルカラだとすぐにわかる名刺代わりのイントロとAメロ、そこから流れるように移り変わるドラマチックなサビ。
メンバーの脱退、邦ロックブームの終焉、さらにはコロナ禍で思うようなライブもできなかっただろうアルカラが、それでもまだアルカラらしさを失わずにそこにいる。
かつて好きだったバンドがどんどん世間の風向きに迎合してEDMとかを取り入れていく様子もたくさん見てきた。そんな中でそのままのアルカラを貫いていたことが本当に嬉しくて泣いた。


わたしの中でアルカラ熱が高まりつつあるタイミングで開催された20周年記念ツアー。
ふらっと見にいくには少々高いチケット代、それに最近の曲はわからないし楽しめるのかやや不安、でもあれだけ好きだったバンドの20周年は見ないとやっぱり後悔するかもしれない。いろんな気持ちを胸に抱えながら当日会場に向かった。
仕事の関係で少し遅刻していったもののスルスルと観客の間を抜けて前方に行ける余裕があって、お世辞にも超満員とは言えないことが少し切ない。あとなんかファンの年齢層も高くなった気がするけど、そりゃあわたしも12歳老けたんだしな…と思う。


対バン相手の9mmのパフォーマンスが終わってアルカラがステージに立つ。3曲目、大好きな曲「やるかやるかやるかだ」のイントロを聞いた瞬間に涙が溢れて止まらなくなった。
高音サビを平気で歌い上げる稲村の歌唱力は40歳を超えてもなお健在だし、ベース・下上の異常に攻撃的な演奏スタイルもまったく変わっていない(そういえばライブでの楽しみは下上さんがベースを振り回して咆える様子を見ることだったのを思い出した)。ドラムの疋田さんもあの頃と同じように楽しそうに叩いてコーラスしている…。
大好きな数々の過去曲、わたしが知らない最近の曲にもアルカラらしさを感じて泣きながら拳を振りまくった。「アブノーマルが足りない」や「やいやいゆいな」、本当に久しぶりに聞いたなあ。どれだけ久々に聞いてもイントロだけで何が来るかすぐに思い出せるし、稲村がどういうテンポで歌い上げるか、どのタイミングでどう拳を振り上げるのかをすべて覚えている。アルカラのことを好きだった記憶が消えていなかったのが嬉しかった。
あとMCやアンコール時の衣装のセンスもまったく変わってなくて笑ってしまった。


ライブが終わるころには顔はぐしゃぐしゃだし、完全に魂が抜けて虚脱したまま家に帰り、そこからずっとぼーっとしている。2日経った今もまだずっと余韻が残っていて、久々にTシャツを買ったし、会った人間にもアルカラのライブがよかったと珍しい熱量で語り、秋に開催される渋谷野音ワンマンのチケット抽選にも勢いで応募した。
あと触れてこなかったアルバムもドキドキしながら聞いてみて、あーどれもいい曲…と今更ながらファンになっている。
4年ぶりのアルカラ、完全に気持ちを再び持っていかれた感覚がある…。一時期は離れてしまったけどまた好きになったし、これからもまた応援したい。まずは野音のチケットを当てるところから!